----------------------------------------------------------- NAPLINKS(New Another Pocket LINK file server) Ver. 0.1 for MS-DOS を OS とする PC-9801 シリーズ (及び、その互換機(EPSON PC-286 など) Copyright (C) 1997 Kenzi NOIKE Copyright (C) 1992, 1993 N.Kon ----------------------------------------------------------- 1.はじめに  近成人氏によって開発された「ポケット・リンク・システム」 (参考文献・資料[1]) のサーバープログラムです。MS-DOS を OS としている PC-9801 シリーズ(及び、その互換機(EPSON PC-286 シリーズなど)で動作します。 2.特長  オリジナルの APLINKS(参考文献・資料[9]) と比べて、次の特 長があります。 1. PC-9801 シリーズ用 RS-232C ドライバ内蔵    (公式には 19200 bps まで、非公式には 38400 bps まで 対応) 2. エスケープシーケンスを用いた、カラフルなセクタマップ   表示  3. ドライブ内ファイル一覧表示  また、ポケコン側のドライバが PLINKC(参考文献・資料[1])で あるか、512 kB 化パッチ(参考文献・資料[4])を当てた PLINK で あるときは、 4. ドライブ容量 512 kB モード を使用できます。  ポケコン側のドライバが PLINKC であるときは、DS(参考文献・ 資料[6])を利用することによって、 5. 階層ディレクトリ を使用できます。  さらに、 6. MS-DOS 形式のタイムスタンプ をサポートしていますので、Revolution E500(参考文献・資料[3] )によるタイムスタンプ付きファイルコピーや、MONEY(参考文献・ 資料[2])によるタイムスタンプの表示、変更ができます。 3.準備 3.1 サーバー側の準備  PC-9801 用の RS-232C ドライバを内蔵していますので、RS- 232C ドライバを組み込んでおく必要はありません。むしろ、利用 可能メモリ増加、動作安定のために、はずしておいてください。 3.2 ポケコン側の準備 3.2.1 デバイスドライバのインストール  ポケット・リンク・システムのデバイスドライバをインストー ルしておいてください(組み込んでおいてください)。インスト ールの方法は、デバイスドライバのマニュアル(ドキュメント、 取扱い説明書)にしたがってください。  近成人氏が作成したオリジナルの PLINK でもよいのですが、 Aesop・M68 氏によってキャッシングの改良や階層ディレクトリ対 応などが行われた PLINKC(参考文献・資料[5])をお薦めいたしま す。PLINKC ver 1.5 は、工学社が運営するポケット通信 Ver. 3 の ;SOFTE500 の 00894 にあります。 3.2.2 通信条件の設定  インストールしたデバイスドライバのマニュアル(ドキュメン ト、取扱い説明書)にしたがってください。  「とりあえず使ってみよう!」という方は、BASIC の RUN モー ドで、 OPEN"COM:9600,N,8,1,A,L,&H1A,N,S" CLOSE POKE &HBFD33, &78 としてください。POKE 文は、PLINK による通信を 19200 bps で 行うための設定です。 3.3 ケーブルの準備  ポケコンとパソコンを RS-232C で接続するケーブルを用意し、 接続してください。  フロー制御に関して NOIKE はよくわかっていないので(^^;)、 どのようなケーブルが利用できるかよくわからないのですが、と りあえず、PJ 掲載の「レベル・ダウン・コンバータ」(参考文献 ・資料[11])が利用できます。 4.サーバープログラムの使用方法 4.1 起動方法  MS-DOS のプロンプトから、 Prompt>naplinks [ファイル名|ディレクトリ名|オプション]... とすることで、(使う回数に比例してわずらわしくなるオープン ニングの後に(^^;))サーバーが起動します。  起動時引数としてファイル名やディレクトリ名を指定したとき は、起動時にそれらを仮想ドライブ L:(以下、単に L: と記述し ます)に取り込みます。  ディレクトリ名を指定したときは、デフォルトでは、再帰下降 ファイル探索を行います。  ディレクトリを取り込むとき、デフォルトでは、L: の中にもデ ィレクトリを作成します。  起動時に指定する引数についての詳細は、「5.2 起動時引数」 を参照してください。 4.2 サーバー動作中の操作 4.2.1 ポケコン側の操作  サーバーが正常に動作している間は、ポケコン側から L: を通 してサーバーにアクセスできます。たとえば、BASIC の RUN モー ドから、 FILES"L:" とすると、L: に格納されたファイル一覧が表示されます(起動時 に取り込まなかったときは、表示されません(^^;))。L: はポケ コンのディスクのように扱えますので、LOAD, SAVE, OPEN などの コマンド、命令が使用できます。  もし、うまくアクセスできないときは、3.準備を参照したり、 使用しているプログラムのマニュアル(ドキュメント、取扱い説 明書)を熟読するなどして、試行錯誤してください(^^;)。  BASIC コマンド、命令でもアクセスできますが、もっと、簡単 に、便利に L: を利用するために、HMFiler(参考文献・資料[12]), Revolution E500(参考文献・資料[3])などを利用することをお薦 めいたします。 4.2.2 サーバー側の操作  サーバー側からは、サーバー強制終了(4.3.2 強制終了)以外の L: の操作はできません。しかし、ファイル一覧表示などの、過去 にサーバーに表示されたことがらのログをさかのぼって見るため の次の操作ができます。 サーバー側の [K]キー、[8]キー、[↑]キー ログの逆方向スクロール   サーバー側の [J]キー、[2]キー、[↓]キー ログの正方向スクロール  ログは、過去の表示 128 行文が保存されています。 4.3 終了方法 4.3.1 通常の終了方法  ポケコン側から、「接続終了コマンド」を発行してください。  BASIC からでしたら、RUN モードで、 INIT"L:D" としてください。  HMFiler(参考文献・資料[12]), Revolution E500(参考文献・資 料[3])からでしたら、[log]キーを押してください。  ライトプロテクト属性のついていないファイルをサーバー側の ディスクに書き出します。  その後、「改行キーを押してください」と表示されます。改行 キーを押して終了するまでは、ログをスクロールして表示された ことがらをさかのぼって見ることができます。 4.3.2 強制終了  接続状況が不安定になったなどの理由で、ポケコン側からサー バーを終了できないときは、サーバーが正常動作していれば、サ ーバー側のキーボードから [CTRL]+[D] を入力する([CTRL] キー を押しながら [D] キーを押す)ことにより、サーバーを強制終了 することができます。[CTRL]+[C] や [STOP] ではありません。 [CTRL]+[D] です。  サーバーを強制終了したときは、ポケコン側のキャッシュにデ ータが残っている可能性がありますので、のちのアクセスで障害 が発生しないように、 INIT"L:" (INIT"L:D") として、キャッシュの内容を破棄しておいてください。 5.サーバープログラムの機能 5.1 表示 5.1.1 画面構成  上の行から順に オリジナルの作者、近成人氏の著作権表示 NOIKE の著作権表示 接続ポート、アクセス状態、通信転送速度、L: 容量モード FAT セクタ情報 DIR エントリセクタ情報 DATA セクタ情報 ログ表示領域 です。  現在のところ、画面行数は 25 行モードであることを想定して いますが、ログ表示領域が狭いように感じられますので、のちの ちには、30 行 BIOS などに対応したいと思います。  なお、拙作の APLINKS for FreeBSD では、kterm などの画面行 数桁数可変の端末に対応しております。 5.1.2 接続ポート表示  必ず、COM1 と表示されているはずです。現在のところ、内蔵 RS-232C ドライバによって、第 1 COM ポートでしか通信できない ように作ってしまっていますが、のちのちには、MCD, SIAM など の高性能なドライバや MS-DOS 添付の RS-232C ドライバにも対応 したいと思っております。 5.1.3 アクセス状態表示  ポケコンからサーバーへのアクセスの状況が表示されます。表 示の意味は、次のとおりです。 [Online] ポケコンからのアクセスを待っている [Read ] ポケコンが L: を読み出している [Write ] ポケコンが L: に書き込んでいる [******] ポケコンから「接続終了コマンド」が送られた 5.1.4 通信転送速度  通信転送速度が表示されます。起動時引数で指定しないときは、 19200 bps です。  起動時引数 -B によって変更することができます。たとえば、 9600 bps に変更したいときは、 Prompt>naplinks -B9600 とします。指定方法の詳細は「5.2.3 通信転送速度指定オプショ ン(-B)」を参照してください。 5.1.5 L: 容量モード表示  仮想ドライブ L: のドライブ容量モードが表示されます。起動 時引数で指定しないときは、128 kB モードです。  起動時引数 -5 によって、ドライブ容量 512 kB モードに変更 できます。512 kB モードを利用するためには、ポケコン側のデバ イスドライバが 512 kB モードに対応していて(参考文献・資料 [1], [4])、なおかつ、BASIC の RUN モードで、 INIT"L:5" が実行されていなければなりません。  なお、ここに表示されている数値は、「モード」であり、「使 用可能空き容量」ではありません。実際に使用できる容量は、サ ーバー計算機の空きメモリ環境に大きく依存しますが、最大でも 256 kB くらいではないかと思います。  のちのちには、EMS からメモリを得るなどの方法で、使用でき る容量を増やしたいと考えております。 5.1.6 FAT セクタ, DIR エントリセクタ, DATA セクタ情報表示  セクタの状況が表示されます。  FAT セクタ, DIR エントリセクタは “.”が 1 セクタ分、 DATA セクタは“.”が 16 セクタ分を表しています。  メモリを割り当てることができたセクタは、水色で“.”が表示 されます。  メモリを割り当てることができなかったセクタは、赤色で“x” が表示されます。この“x”セクタにアクセスしたときは、ビープ 音が鳴ります。  ポケコンから読み出しアクセスが行われているセクタは、黄色 で“R”が表示されます。アクセスが終わると黄色で“@”が表示 されます。  ポケコンから書き込みアクセスが行われているセクタは、赤色 で“W”が表示されます。アクセスが終わると赤色で“@”が表示 されます。  “@”は、ポケコン側に確実にキャッシングされているセクタと 考えることができます。現在のところ、PLINKC(参考文献・資料 [1])のキャッシングの表示には対応しておりませんが、「本当に キャッシングされているセクタとは必ずしも一致しないが、たぶ んあっているであろう」という近似的な表示には、のちのちには、 対応したいと考えております。  サイズが大きいファイルを読み書きしているときや、大量のフ ァイルを読み書きしているときなどに見ていると、「いま、ディ スクのこの辺に読み書きしているな... 」とか、「あぁっ! メ モリのないセクタにアクセスにいってしまうぅっ!」とかがわか り、便利なんじゃないかと思います(^^;)。 5.1.7 ログ表示領域  サーバープログラムからのメッセージや、L: に格納されたファ イルの一覧を表示します。  ファイルの一覧は HMFiler(参考文献・資料[12])の表示方法に 似せてあります。ディレクトリは、その中を再帰下降探索し、そ の深さに合わせた字下げをしてその内容を表示します。  ファイル一覧の中で赤色、青色、紫色(ピンク?)で表示され ているファイルは、通常の格納ファイルと次のように異なってい ることを表します。 赤色:    その一部が、メモリを確保できなかった“x”セクタに格納 されてしまっていることを表します。 青色:    直前のポケコンからの操作により削除されたことを表します。 紫色(ピンク?): その一部が“x”セクタに格納されてしまっていたファイル やディレクトリが、直前のポケコンからの操作により削除さ れたことを表します。  このログ表示領域に表示された内容は、サーバー側のキーボー ド操作によって、過去に表示された内容をさかのぼって見ること ができます。キーボードの操作方法は、次のとおりです。 サーバー側の [K]キー、[8]キー、[↑]キー ログの逆方向スクロール   サーバー側の [J]キー、[2]キー、[↓]キー ログの正方向スクロール  ログは、過去の表示 128 行文が保存されています。  このログのスクロール表示機能は、接続終了後も、サーバーを 終了するまで使用することができます。 5.2 起動時引数  サーバーの起動時に、引数としてファイル名、ディレクトリ名 を与えることにより、起動時に取り込むファイル、ディレクトリ を指定することができます。  また、引数としてオプション指定を与えることで、サーバーの 設定のいくつかを変更することができます。  起動時引数の書式は、次のとおりです。 Prompt> naplinks [option|file|dir]...  ファイル名、ディレクトリ名、オプションは、任意の順に与え ることができます。  オプションは、大文字でも小文字でも構いません。  同種の機能のオプションを複数与えたときは、後に与えた方が 有効となります。 5.2.1 ファイル名、ディレクトリ名  ファイル名、ディレクトリ名には、ワイルドカード“*”, “?”, “.”, “..”, “\”を使用することができます。  ちょっと変な仕様かもしれませんが、引数として与えた名前の 大文字と小文字は区別します。これは、別ドライブの同名ファイ ル(同名ディレクトリ)を取り込んだときに、片方を大文字、片 方を小文字で起動時に与えれば、ポケコンの中では区別できるの ではないかと考え、こうしました。  再帰下降探索などにより、L: のなかに同じ名前のファイルがで きてしまうときは、次のように L: 内で名前を調節します。 処理 1. まず、ファイル名のベースネーム部分(先頭から拡張子の 前まで)が 8 文字に満たないときは、“_”を付加して、8 文字に正規化します。その後、処理 2. に移ります。 処理 2.    ベースネームの 8 文字目が数字でないときは、そこを “0”に置き換えます。 数字であるときは、その数字を +1 して置き換えます。    +1 した結果、桁が増えるときは、増えた桁の部分に対応す るベースネームの文字も置き換えます。 その後、処理 3. に移ります。 処理 3. 処理 2. で置き換えた名前で L: の同ディレクトリ内に同 じ名前ができないか調べます。 同じ名前ができてしまうときは、置き換えた名前のまま、 処理 2. に移ります。 同じ名前ができないときは、名前の調整を終え、その名前 で L: に取り込みます。  たとえば、起動時引数で、 A:\CONFIG.SYS B:\CONFIG.SYS A:\AUTOEXEC.BAT B:\AUTOEXEC.BAT C:\CONFIG.SYS C:\AUTOEXEC.BAT を、 Prompt>naplinks A:\CONFIG.SYS B:\CONFIG.SYS A:\AUTOEXEC .BAT B:\AUTOEXEC.BAT c:\config.sys c:\config.sys と指定した場合、 CONFIG .SYS CONFIG_0.SYS AUTOEXEC.BAT AUTOEXE0.BAT config .sys autoexec.bat という名前で L: に取り込まれます。  なお、起動時に取り込まれたファイル、ディレクトリには、す べてライトプロテクト属性を付け、接続終了時にファイルを書き 出さないようにしています(ディレクトリは書き出してしまいま す(^^;))。サーバー側のディスク上での属性が反映されるわけで はないことに注意してください。 5.2.2 ドライブ容量モード指定オプション(-1, -5)  ドライブ容量モードを 512 kB モードに変更したいときは、起 動時引数として、-5 を与えてください。  ドライブ容量モードを 128 kB モードに変更したいときは、起 動時引数として、-1 を与えてください。ただし、ドライブ容量モ ード指定オプションを与えずに起動したときは、通常は、128 kB モードで起動するので、-1 を与えなくても構いません。  512 kB モードを利用するためには、ポケコン側のデバイスドラ イバが 512 kB モードに対応していて(参考文献・資料[1], [4])、 なおかつ、BASIC の RUN モードで、 INIT"L:5" を実行して、デバイスドライバも 512 kB モードにしておかなけ ればなりません(デバイスドライバは、INIT"L:1" を実行するま で、512 kB モードの設定が有効です。)。  サーバー側とポケコン側のドライブ容量の設定が一致していな いときに、うまく通信できているように見えることがありますが、 「うまくできているフリ」だけですので、ご注意ください。  なお、このオプションで指定し、変更するのは、「モード」で あり、「使用可能空き容量」ではありません。実際に使用できる 容量は、サーバー計算機の空きメモリ環境に大きく依存しますが、 512 kB モード時に 256 kB くらいではないかと思います。 5.2.3 通信転送速度指定オプション(-B)  通信転送速度 bps を変更するときは、起動時引数として、-B オプションのあとに、空白をいれずに bps の値を与えてください。  たとえば、9600 bps に変更したいときは、 Prompt>naplinks -B9600 としてください。  通信転送速度指定オプションを与えないときは、通常は、19200 bps で起動します。  指定できる bps 値は、公式には、75, 150, 300, 600, 1200, 2400, 4800, 9600, 19200 ですが、38400 も可能なようです。 NOIKE のところでは、38400 bps で通信できました。  bps 値が小さいと、通信が不安定になるようですので、9600, 19200 あたりの bps 値をお薦めいたします。  なお、クロックアップ改造のされていないポケコンで 19200 bps 通信をおこなうためには、BASIC の RUN モードで、 OPEN"COM:9600,N,8,1,A,L,&H1A,N,S" CLOSE POKE &HBFD33, &78 としてください。とりあえず、「ポケット・リンク・システム」 は 19200 bps で通信できるようになります。CALL していないの で、COM: ドライブを使用した通信は、19200 bps に はなりません。 5.2.4 出力ディレクトリ指定オプション(-O)  接続終了時にライトプロテクト属性のついていないファイルを 書き出すディレクトリを指定するときは、起動時引数として、-O とその直後に出力ディレクトリ名を指定してください。-O と出力 ディレクトリとの間に空白が入っても構いません。  出力ディレクトリ指定オプションを与えなかったときは、通常 は、サーバー起動時のカレントディレクトリが出力ディレクトリ になります。  たとえば、出力ディレクトリを B:\PLINKOUT にしたいときは、 Prompt>naplinks -OB:\PLINKOUT または、 Prompt>naplinks -O B:\PLINKOUT としてください。  指定した出力ディレクトリが存在しないときは、通常は、サー バー起動時のカレントディレクトリを出力ディレクトリとします ので、注意してください。  現在のところ、書き出し時に、取り込み時のパスをチェックし ていないので、ライトプロテクト属性がついていないファイルは、 すべて、出力ディレクトリの下に出力します。  また、ライトプロテクト属性がついていないファイルがひとつ もないのに、L: 内の階層ディレクトリ構造を出力ディレクトリの 下に作成してしまいます。  一応、取り込み時のおのおののファイルのパス名とファイル名 を持ってはいるのですが、ポケコン側から、「ファイルソート + ディレクトリ書き込み」とか、「名前の変更」とかを行われたと きのことを考えていたら、「ひぃぃ(^^;)」になってきたので、と りあえず、このようにしました。のちのちには、考慮したいと思 います。 5.2.5 ファイル再帰下降探索モード指定オプション(-R, -R-)  起動時引数としてディレクトリ名を指定したときや、ファイル 名にワイルドカードが含まれているとき、通常は、そのディレク トリの再帰下降探索を行って、ファイルを L: に取り込みます。  この再帰下降探索を行わないようにしたいときは、起動時引数 として、-R- を与えてください。  起動時引数として、-R を与えると、再帰下降探索を行うモード になりますが、ファイル再帰下降探索モード指定オプションを与 えずに起動すると、通常は、再帰下降探索を行うモードになりま すので、与えなくても構いません。  再帰下降探索の方法は、APLINKS for FreeBSD と異なり、「幅 優先探索」です。「深さ優先探索」ではありません。 5.2.6 ディレクトリ作成モード指定オプション(-D, -D-)  起動時引数にディレクトリを指定したときや、ファイル再帰下 降探索を行ったとき、通常は、L: の中に取り込み元と同じディレ クトリ構造を作成します。これを行わずに、取り込んだファイル すべてを L: のルートディレクトリに格納したいときは、起動時 引数として、-D- を与えてください。  起動時引数として、-D を与えると、取り込み時にディレクトリ を作成するモードになりますが、ディレクトリ作成モード指定オ プションを与えずに起動すると、通常は、ディレクトリを作成す るモードになりますので、与えなくても構いません。  たとえば、次に示すディレクトリ構造、 POCKET\ |LOG\ | |FILES.TXT | |POC0101.LOG | |DL\ | |FILES.TXT | |NAPL01.LZH | |RES.TXT | |SEND\ |FILES.TXT |RES.TXT を -D- オプションを与えて起動時に取り込むと、次のように L: のルートディレクトリに格納されます。 FILES .TXT POC0101 .LOG FILES__0.TXT NAPL01 .LZH RES .TXT FILES__1.TXT RES____0.TXT  なお、ここで指定する動作は、サーバー起動時のファイル取り 込み時にディレクトリを作成するかどうかの指定ですので、接続 中にポケコンから DS(参考文献・資料[9])でディレクトリを作成 することは可能です。 5.2.7 書き出しファイルタイムスタンプ処理指定オプション (-TW, -TW-)  接続終了時に書き出したファイルのタイムスタンプの処理につ いて指定するオプションです。  -TW オプションを起動時引数として与えたときは、書き出した ファイルのタイムスタンプは、L: の中でのタイムスタンプになり ます。ただし、タイムスタンプが押されていないと思われるとき (タイムスタンプが 80/00/00 00:00:00 のとき)、サーバーがタ イムスタンプの情報を得るのに失敗したときは、サーバー上で書 き出された時刻になります。  -TW- オプションを起動時引数として与えたときは、書き出した ファイルのタイムスタンプは、サーバー上で書き出された時刻に なります。  起動時に書き出しファイルタイムスタンプ処理指定オプション を与えなかったときは、通常は、-TW を与えたときと同じ処理を 行います。  なお、念のために書いておきますが、サーバー計算機の日付、 時刻は合わせておいてください。 5.2.8 オープニングアニメーション表示モード指定(-A, -A-)  サーバー起動時に表示される、オープニングアニメーションの 表示を行わせたくないときは、起動時引数として、-A- オプショ ンを与えてください。  起動時引数として -A オプションを与えると、オープニングア ニメーションを表示しますが、通常は、オープニングアニメーシ ョン表示モード指定オプションを与えずに起動すると、-A オプシ ョンを与えたときと同じように動作しますので、与えなくても構 いません。 5.2.9 簡易ヘルプの表示(-H)  起動時引数に関する簡単な説明を表示し、終了します。 5.3 タイムスタンプ機能  起動時に取り込んだファイルには、そのファイルのサーバー計 算機上でのタイムスタンプが L: 内で反映されます。  そのため、Revolution E500(参考文献・資料[3])を用いたタイ ムスタンプ付きコピーや、MONEY(参考文献・資料[2])を用いたタ イムスタンプの表示、変更ができます。  また、-TW オプションを指定しているときは、接続終了時に書 き出すファイルに L: でのタイムスタンプを反映します。 6.プログラムについて  naplinks.exe は、APLINKS for FreeBSD のソースを元に、 MS-DOS 上でも使用できるようにコードを書き加え、Borland Turbo C++ Version. 4.02 を用いて、作成いたしました。  RS-232C を制御するために、Turbo C++ のライブラリに依存し てしまうコーディングをしてしまったので、そのままでは、他の コンパイラでは、コンパイルできないと思います。  また、この部分が、PC-9801 シリーズに依存しているコードな ので、AT 互換機では動作しないと思います。  ところで、RS-232C 制御部分を PC-9801, AT 互換機両用のドラ イバを使うようにすれば、たとえば、MCD とか SIAM を使うよう にすれば、naplinks.exe も両用になるのでしょうか? # あまい?(^^;) 7.著作権などについて  NAPLINKS の著作権は、作者である野池賢二と、オリジナルの APLINKS の作者である近成人氏が所有します。  しかし、NAPLINKS に関するご意見、ご感想、バグ報告などは、 野池賢二(ポケット通信 ID:4167, NOIKE)にだけ送ってください。 近成人氏には、決して送らないでください。  NAPLINKS Ver. 0.1 はフリーウェアとしますが、プレビュー版 ですので、転載、配布を厳しく禁止します。ダウンロードした方 だけが使用してください。  また、NAPL01.LZH と NAPL01S.LZH とそれらに含まれるファイ ル、さらにそれらから作成した生成物を配布することを厳しく禁 止します。個人的に変更を加えて、個人的に使用することは自由 とします。  ご意見、ご感想、バグ報告は、ポケット通信 Ver.3 の ;BBSPRE にお願いいたします。ただし、それらにレスポンスしたり、バグ を直すことは、作者の義務ではありません。  NAPLINKS とそれに付随する配布物を用いることによって生じた 損害、および、逸失利益に関して、作者は免責とします。 8.おわりに(雑記)  「作る」と言ってから、UP するまでにものすごく時間がかかっ てしまいました。たしか去年の夏に FreeBSD 用の APLINKS を作 りたいと言っていたように記憶しています。  しかし、時間がかかったわりには、大したことができませんし た。  もともとは、FreeBSD 用に作った APLINKS の読み出し動作のチ ェックのためにソースを MS-DOS 上に持ってきて動くようにした ものなのですが、PC-9801 シリーズ用のサーバーで、タイムスタ ンプをきちんとサポートしているのは、どうもないらしいので、 UP することにいたしました。もし、今、作っていて、UP 直前の 方がいらっしゃいましたら、ごめんなさい。 9.歴史 FreeBSD 用 1997-02-27(Thu.) Ver. 0.1 FreeBSD 用。初版。 MS-DOS 用 1997-02-27(Tue.) Ver. 0.1 FreeBSD 用のソースを元に PC-9801 シリーズ用を作成した。初版。  (... って、続くんでしょうか?(^^;)) 謝辞  「ポケット・リンク・システム」を開発、提供してくださった、 近成人氏に感謝いたします。APLINKS.C は、たいへん参考になり ました。  「ポケット・リンク・システム」に 512 kB モードを追加拡張 し、APLINKS for Win32 を開発し、「FreeBSD 用の APLINKS を作 りたい」という NOIKE に、そのソースファイル一式を快く提供し てくださった、赤川裕一氏(Revさん)に感謝いたします。  「ポケット・リンク・システム」デバイスドライバのキャッシ ュまわりを改良し、512 kB モードをパッチでなくドライバの機能 として吸収し、L: をディレクトリ対応にもしてくださった、 溝端大介氏(Aesop・M68 さん)に感謝いたします。また、E500 シリーズのタイムスタンプ環境を整備してくださったことにも感 謝いたします。  オープニングアニメーションのアイデアを考えてくださった、 NIBIE さんに感謝いたします。  「あれ、だれか作るって言ってませんでしたっけ?」と、さり げなく励ましてくださった(^^;)、MKP さんに感謝いたします。  PC-9801 シリーズ版に期待してくださった、畑浩一氏 (Greatさん)に感謝いたします。  そのほか、ここに書ききれませんでしたが、日頃、ポケット通 信にアクセスし、書き込みによって楽しませてくださったみなさ まに感謝いたします。 参考文献・資料 [1] 近成人:ポケット・リンク, PJ '90 Number 6, pp. 14 - 27, 工学社, 1990. [2] 近成人:APLINKS Ver. 1.03, ポケコン/電子手帳用クロスア センブラ+FSW集, ポケコン総合研究所, 1993. [3] 赤川裕一:APLINKS for Win32 Ver. 1.00, ;SOFTE500, 00974, 1996. [4] 赤川裕一:APLINKS for Win32 Ver. 0.02βソースファイル, 1996. [5] 溝端大介:PLINKC ver 1.5, ;SOFTE500 00894, 1996. [6] 溝端大介:MONEY Version 1.01 + 0.02, ;SOFTE500, 00986, 1996. [7] 溝端大介:Revolution E500 ver 1.09, ;SOFTE500, 00978(00979), 1996 [8] Dr. KON:PC-14980U システムファイルの構造解析, ポケコン・ライブラリ2, pp. 6 - 32, 工学社, 1991. [9] きゃぱ:Directory Server DS version 1.1(DIR.LZH), ;SOFTE500, 00359, 1993. [10] 近成人, 三木一秀, 塚田徳, 大石純也, CRISIS Hardware: PC-E500 PC-1480U 活用研究, 工学社, 1990. [11] みずほ:レベル・ダウン・コンバータの製作, PJ '92 Number 7, pp. 28 - 31, 1992. [12] H. Morita:HMFiler, ;SOFTE500, 00782, 1996. [13]大倉仰一, 谷田部賢一:UNIX システムコールハンドブック, 株式会社ビー・エヌ・エヌ, 1995. [14] Borland International:Borland C++ / Turbo C++ 4.0 ラ イブラリリファレンス, 1994. [15] Borland International:Borland C++ / Turbo C++ 4.0 DOS リファレンス, 1994. [16] Borland International:Turbo C++ 4.0 プログラマーズガ イド, 1994. [17] 久野禎子, 久野靖:UNIX の環境設定, 株式会社アスキー, 1996. [18] 宮嵜忠臣:FreeBSD 入門キット 2.1.0 リリース版, 株式会社 秀和システム, 1996. [End of file]