Roland のワイヤレス MIDI アダプタ,WM-1/WM-1D.7700円と8800円なので,合わせて16500円.高いと思う.一概には比較できないけれども,総じて QUICCO SOUND のほうが上だなぁ,と個人的には思う.

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「Roland – WM-1 | Wireless MIDI Adaptor」
https://www.roland.com/jp/products/wm-1/

「Roland – WM-1D | Wireless MIDI Dongle」
https://www.roland.com/jp/products/wm-1d/

「Roland – Company – ニュースリリース – 2020 – 電子楽器とパソコンやiPadを無線接続して音楽制作/演奏できるワイヤレスMIDIツールを発売」
https://www.roland.com/jp/news/0877/?lang=ja-JP

「ローランド、MIDIを無線化。電子楽器とiPadをBluetooth接続 – AV Watch」
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1279445.html

 


 

 


 

 

自分の知りたいことが明確に書かれていないので,自分の推定や想像も含めて,WM-1/WM-1D の機能を整理してみる.

 

・WM-1D は,PC側の USBポートに挿す Bluetooth ドングル.USB MIDI 機器用ではない.そもそも,USB B端子ではなく,A端子の形状.つまり,今回の WM-1/WM-1D は,DIN 5ピンの MIDI 端子を無線化する機器.
WM-1 を MIDI 楽器の DIN 5ピンに挿し,WM-1D を PC の USBポートに挿して MIDI データのやりとりを無線化する,というのが想定されている基本的な使い方.

 

・PC側に Bluetooth 受信機があるのであれば,WM-1D はなくてもよさそう(推定).ただし,これだと後述する FAST MODE での通信ができないので,WM-1 を使う意義が半減してしまう.ということで,結局のところ,WM-1 だけでなく WM-1D も買う必要がありそう.
WM-1 が 7700円で,WM-1D が 8800円なので,合わせて 16500円.高いと思う.

 

・WM-1/WM-1D には,通信方法にモードがあって,STANDARD MODE と FAST MODE がある.

FAST MODE:
いわゆる,「低遅延通信モード」.Roland がいうには,「送受信速度を3ミリ秒にまで早めます」とのこと.想像だけど,この “3ミリ秒” って,”平均で 3ミリ秒” なんじゃないかな.ジッター(遅延時間がどれくらい延び縮みするか,いわゆる「ヨタり」)がどれくらいなのかは,書いてなかった.
FAST MODE は,通信は低遅延になるのだけど,同時接続 MIDI 機器数が 2台に減ってしまうらしい.台数が減るということは,想像だけど,無線 LAN の MIMO みたいな多重接続をして低遅延を実現しているのかなぁ?

STANDARD MODE:
FAST MODE とは違う,低遅延通信ではないモード.悪い言い方をすると,遅延が大きいモード.遅延時間がどれくらいなのかは書いてない.想像だけど,数十ミリ秒から 100ミリ秒くらいかなぁ? Bluetooth は何も工夫しないと 250ミリ秒くらい平気で遅れるし,遅延時間も延び縮みして数十ミリ秒のジッター(ヨタり)が発生するときがあるのだけど,さすがにそこまでひどいことはなかろうと思う(想像).
STANDARD MODE は,遅延時間が大きくなる代わりに,同時接続 MIDI 機器数は 4 台になるらしい.

いずれにしても,素の Bluetooth で複数機器を安定的に同時接続させるのは,結構,面倒なので,それだけでも WM-1/WM-1D を使うことは意義がありそう.

 

・WM-1 は MIDI 端子から電源を取っていないので,バッテリーが必要.MIDI 端子から電源が取れなかったとき用のオプショナルバッテリーなのではなくて,必須.常に必要.これって,結構な短所だと思う.
Roland によれば,「単四乾電池1本で約60時間の連続稼働」ができるらしい.

 

ということで,まとめると,

o WM-1/WM-1D をセットで買えば,比較的簡単に DIN 5ピンの MIDI ケーブルを無線化できる.

x WM-1/WM-1D をセットで買うと,7700円+8800円 = 16500円.高い.

o 結構な低遅延.(平均して)3m秒. ジッターは不明.とはいえ,これならたぶん,手弾きして音源を鳴らしても大抵は問題なく弾けそう.

x バッテリーが必須.しかも,小容量の単四.充電電池を使うことになるのだろうけれど,ライブで使うにしても,家庭内で普段使いするにしても,要注意事項だと思う.

ということになりそう.

 

 

同機能というわけではないので一概には比較できないけれども,総じて QUICCO SOUND の mi.1 Cable や mi.1 II のほうが上だなぁ,と個人的には思う.

QUICCO SOUND のほうは,

o 低レイテンシモードだと遅延は平均 4m秒.
o 低ジッタモードだと,遅延は 50m秒くらいだけど,ジッタが±1m秒.
o 基本的に,バッテリー不要.ただし,MIDI 端子から電源を取っているので,MIDI 端子から電源が出ていないときは,何か工夫をする必要がある.
o WM-1/WM-1D よりも安い.
o 大きさが小さい.

だもの.

 

「mi.1 Cable」
https://quiccosound.com/?pid=152215332

「mi.1 II」
https://quiccosound.com/?pid=152215231

「MIDI対応電子楽器同士をワイヤレスで接続する「mi.1 Cable」登場 | BARKS」
https://www.barks.jp/news/?id=1000185565#utm_source=tw_BARKS_NEWS

「MIDIケーブルをワイヤレス化するmi.1 Cableが先行発売を開始。Bluetooth MIDIの元祖、日本のベンチャー、QUICCO SOUNDが開発 | | 藤本健の “DTMステーション”」
https://www.dtmstation.com/archives/30501.html

 

 

 

YAMAHA のワイヤレス MIDI アダプタは,実使用上はどうなのだろう? 私の周辺だとよい話も悪い話も聞かない.なんというか,話題にさえならない状態.

ただ,DIN 5ピンではない,USB MIDI 機器のワイヤレス化を手軽に実現しようとしたら,現状だと,YAMAHA の UD-BT01 くらいになってしまうんじゃないかなぁ.

 

「ヤマハ | UD-BT01 – インターフェース – 概要」
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/pianos/accessories/interfaces/ud-bt01/index.html

「ヤマハ | MD-BT01 – アクセサリー – 概要」
https://jp.yamaha.com/products/music_production/accessories/md-bt01/index.html

 

 

 

いずれにしても,この分野はまだ新規参入も可能な,若干,”未開の地” なのかもしれないですね.

 

 

 

 

==

 

2016年02月17日
YAMAHA製のBluetoothワイヤレスMIDIアダプター.DIN 5Pin用 MD-BT01と,USB端子用 UD-BT01 がある.mi.1 よりも大きめ.UD-BT01のほうは,もう少しシンプルな形状にならなかったのかなぁ? 楽器にUSBケーブルを挿して,この大きさのアダプタをぶら下げるのって,なんだかなぁ.
http://knoike.seesaa.net/article/433937463.html

 

2014年10月12日
「Wireless MIDI Interface mi.1」 「通常販売は2014年10月を予定しております。」
http://knoike.seesaa.net/article/406980587.html

 

2014年05月09日
「元ヤマハ技術者達が開発する世界初の電源不要ワイヤレスMIDIデバイス」 設計がイマイチだけど,欲しいデバイスではある.
http://knoike.seesaa.net/article/396582946.html

 

 

 

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